インフルエンサーマーケティングとは
今回の記事では、インフルエンサーマーケティングについて詳しく解説していきます。みなさんは、「インフルエンサーマーケティング」をご存知ですか?
これは、近年急速に発展しているマーケティング手法なので、是非この記事を最後まで読んで理解を深めていただければと思います。
そもそもインフルエンサーとは
では、そもそも「インフルエンサー」とは何でしょうか。
インフルエンサーとは、「世間に対して大きな影響力を持つ人やもの」のことです。影響や勢力を表す「influence」という英単語を語源とし、近年ではインターネットメディア上において、消費者が商品を購入する際の意思決定に対して影響を与える人たちのことを指すことが多くなっています。
代表例として、タレントやファッションモデル、スポーツ選手などがいますが、最近では多数のフォロワーを抱えるインスタグラマーやYouTuber、TikTokerなどもインフルエンサーとしての地位を確立しています。
インフルエンサーマーケティングの市場規模
インフルエンサーマーケティングの市場規模の推移を見て見ましょう。
サイバーバズ/デジタルインファクトが2020年に行ったソーシャルメディアマーケティングの市場規模調査によると、2021年のインフルエンサーマーケティング市場規模は425億円と見込まれています。2025年には、2021年比で約1.7倍の723億円になると予想されており、将来性の高い市場だということが出来ます。
さらに同調査によると、SNSマーケティングの市場規模も2025年に1兆1,000億円を超えると予想されているため、多くの企業がSNSを使ったインフルエンサーマーケティングに注目を集めています。
インフルエンサーマーケティングのメリット
ターゲット層を絞ったマーケティングが可能
一つ目のメリットは、「ターゲット層にリーチしやすい」という点です。
例えば、「Aさん」という美容系インフルエンサーがいると仮定してみます。
企業がAさんに化粧品のPR依頼をした場合、Aさんは自身のSNSアカウントでその化粧品を使用してみた感想を口コミのような形で発信します。もちろん発信先は、Aさんのフォロワーです。
フォロワーは、美容系の情報を発信しているAさんに興味を持った上で、自らフォローしている人たちであるため、企業は「化粧品に興味を持つ人」にターゲットを絞って効率的に商品認知をリーチさせることが可能になります。
「信頼できる口コミ」でユーザーの消費意欲を高められる
二つ目のメリットは、「ユーザーの消費意欲を高められる」という点です。
インフルエンサーのフォロワーの中には、そのインフルエンサーに対する憧れや尊敬の気持ちを抱くユーザーがとても多いです。そして、憧れの対象であるインフルエンサーが身につける洋服や、使用している化粧品を「自分も着たい!使いたい!」と思うようになり、ユーザー自身の商品購入へと繋がります。
フォロワーにとって憧れのインフルエンサーが投稿する商品口コミについても同様です。誰が書いたか分からない口コミよりも、顔も名前も知っていて、且つ憧れの人が投稿した口コミの方がユーザーは情報を信頼できるはずです。
SNSの拡散機能でブランド認知が加速する
三つ目のメリットは、「SNSの拡散機能でブランド認知が加速する」という点です。
多くのインフルエンサーの活躍の舞台となるTwitterやInstagram等のSNSには、「拡散機能」と呼ばれるものがありますが、その代表例の一つとなるのがTwitterのシェア機能です。
シェア機能とは、ユーザーが「共有したい」と思ったネット記事やSNS投稿をフォロワーにシェア(共有)できる機能のことで、これにより一つの記事や投稿が爆発的に広まることがあります。
他には、「ハッシュタグ(#)」という機能も拡散力が強い機能です。例えば、Instagramアカウントでの投稿の最後に「#化粧品」というキーワードを入れて、他のユーザーがインスタの検索欄で「化粧品」と入力するとします。すると、「#化粧品」というキーワードが入った投稿が一覧表示され、ユーザーは化粧品系の投稿を自由に閲覧できるようになります。ユーザー視点でかなり使い勝手のいい機能です。
SNSは「拡散が拡散を呼ぶプラットフォーム」であることから、企業がSNS上で人気を誇るインフルエンサーに商品PRを依頼することの大きなメリットといえます。
3つのインフルエンサーマーケティング手法
ここまででインフルエンサーマーケティングの概観とメリットに関してはご理解いただけたかと思います。では実際にインフルエンサーマーケティングを始める上で、どのような方法があるのでしょうか。以下では、3つの手法について解説していきます。
直接インフルエンサーに依頼する
まず一つ目は、直接インフルエンサーに依頼する方法です。
自社で直接インフルエンサーに依頼するため、中間コストをかけることなくスピーディーにインフルエンサーとのやりとりが可能になります。
一方で、自社で依頼するインフルエンサーの選定、報酬交渉、投稿までのマネジメント、PR効果分析など一連の業務を全て自社で行う必要があるため、自社でインフルエンサーマーケティングマネジメントのノウハウを持ち合わせていない場合は非常に困難な方法です。
また、人的リソースが少ない場合は担当者への大きな負担になってしまう可能性があるので注意が必要です。
インフルエンサーマッチングプラットフォームを活用する
二つ目は、インフルエンサーマッチングプラットフォームを利用する方法です。
最近では、多くのマッチングプラットフォームが出てきています。
マッチングプラットフォームのツールを使い、自社に親和性の高いインフルエンサーの選定と連絡、ダッシュボードでのインフルエンサー管理、投稿の効果分析などができます。
一方で、依頼インフルエンサーの選定と管理、商品の発送やPR効果分析などは基本的に自社で行う必要があるため、人的リソースとノウハウがある程度必要になります。
また、月額もしくは年額のプラットフォーム利用料がかかることに注意が必要です。
マッチングプラットフォームは、それぞれサービス内容が異なるケースが多いです。
そのため、契約を検討する際は、価格だけでなく「サービス内容」を詳細に確認して、「本当に自社に合ったサービスかどうか」を念入りにチェックするようにしましょう。
インフルエンサーマーケティング/キャスティング会社に紹介してもらう
三つ目は、インフルエンサーマーケティング/キャスティング会社に紹介してもらう方法です。インフルエンサーマーケティング施策のプロが、自社に合ったインフルエンサーの選定とマネジメント、施策の実施、PR効果分析をしてくれます。
インフルエンサーマーケティングのノウハウが無いが、マーケティング資金はあるという企業におすすめです。
ただし、自社と依頼するインフルエンサーの間に距離ができてしまうため、キャスティング会社との意思疎通を十分にしておく必要があります。場合によっては、依頼内容とはズレたPRになってしまうこともあるので、事前に何度も詳細を打ち合わせしておきましょう。
インフルエンサーマーケティングの企業選びのポイント
インフルエンサーマーケティングの方法としては、自社だけで行うかインフルエンサーマーケティング専門の会社に依頼するかに分かれます。では、インフルエンサーマーケティング専門の会社に依頼する場合、どのように企業を選んだら良いのでしょうか。
以下で企業選びのポイントについて解説していきます。
詳細なフォロワー分析が可能かどうか
一つ目のポイントは、「詳細なフォロワー分析が可能かどうか」です。
商品PRを依頼するインフルエンサーを選定する場合は、
・アカウント上の投稿の雰囲気
・エンゲージメント率
・男女比率
の3つが重要になります。アカウント上の投稿の雰囲気はさきほど説明させていただいた通り、ユーザーと自社商品との親和性を確かめるために確認が必要です。
エンゲージメント率とは、「インフルエンサーのフォロワーの中でインフルエンサーの投稿に対して何らかのリアクションを取るフォロワーがどれほどいるか」を表す割合です。
例えばインスタグラムの場合、エンゲージメント率は「(いいね数+コメント数)/ フォロワー数」で算出することができます。エンゲージメント率が高いほど、そのインフルエンサーには熱心なファンが多いということになります。
男女比率は、フォロワーの中の男女比率を測ることでマーケティングのターゲット層との親和性があるかどうかの判断材料になります。
インフルエンサーマーケティング会社が、上記3点をサービスとして提供しているかを確認する必要があります。特にフォロワー分析の部分は、サービスとして提供している会社と提供していない会社で分かれるので注意が必要です。
費用
二つ目のポイントは、「費用」です。
通常、インフルエンサーマーケティングマッチングプラットフォームをサービスとして提供している会社よりも、インフルエンサーの選定やマネジメント、施策の実施、PR効果分析までサービスとして扱っているインフルエンサーキャスティング会社の方が費用は高くなります。
そのため、自社のインフルエンサーマーケティングノウハウの有無や予算制限、社員のリソースなどを考慮した上で、自社に必要なサービスを提供している会社を選びましょう。
くれぐれもサービス内容をしっかり理解することなく「安いから」という理由でインフルエンサーマーケティングの企業を選ばないように気をつけましょう。
抱えているインフルエンサーの属性に偏りはあるか
三つ目のポイントは、「抱えているインフルエンサーの属性に偏りはあるか」です。
インフルエンサーマッチングプラットフォーム運営会社やインフルエンサーキャスティング会社の場合、そのサービスには多くのインフルエンサーが登録していることでしょう。
しかし、登録しているインフルエンサーの属性は会社ごとに異なる可能性があります。例えば、美容系インフルエンサーのみ登録可能なマッチングプラットフォームや女性インフルエンサーのみ登録可能なマッチングプラットフォームも存在します。
それ以外にも、フォロワー数が1000人以上のインフルエンサーのみ登録可能なサービスや、平均コンバージョン率5%以上のインフルエンサーのみ登録可能なサービスもあります。こうした理由で会社が提供しているインフルエンサーマーケティングプラットフォームに登録しているインフルエンサーには属性の偏りが発生してしまうことがあります。
そのため、「どのようなインフルエンサーが登録しているのか」を確認し、自社商品との親和性が高いプラットフォームを選ぶことが重要です。
インフルエンサーマーケティング成功のポイント
インフルエンサーマーケティングを行う目的を明確にする
まずは、インフルエンサーマーケティングを行う目的を明確にしましょう。例えば、商品の認知獲得自体が狙いなのか、又は商品の売上を伸ばしたいのかによっても、適切なマーケティング施策は変わってくるでしょう。
さらに、ターゲットとする層も明確にする必要があります。特に性別と年齢層に関してはより具体的なターゲット設定をすることで、インフルエンサー選定がしやすくなります。
施策に見合った適切なKPIを設定する
これは、インフルエンサーマーケティングに限った話ではありませんが、マーケティング施策に見合った適切なKPI設定が重要です。
例えば、認知拡大を目的とするインフルエンサーマーケティング施策を行う場合、「コンテンツがどれだけ人の目に触れたか」がKPI設定の中心になります。
すると、インプレッション数(投稿が表示された回数)やリーチ数、シェア数、動画再生数などがKPIを構成する要素になるでしょう。
一方で売り上げ向上を目的とするインフルエンサーマーケティングのKPIを設定する場合は、売上額と共にCPA(1コンバージョンあたりの獲得単価)等の指標が中心となります。
自社商品との親和性の高いインフルエンサーを選定する
最後のポイントは、「自社商品との親和性の高いインフルエンサーを選定する」です。
インフルエンサーマーケティングをする上で、ありがちなミスが自社商品との親和性をあまり考慮せずに、インフルエンサーの影響力に惑わされて商品PR依頼をしてしまうことです。
これでは、ユーザーはいつものインフルエンサーの雰囲気とは違う商品PRに違和感を持ち、ユーザー目線で広告感が薄まるインフルエンサーマーケティングの強みを消してしまうことになりかねません。
美容のイメージが全くない、もしくは美容に対して強みを持っていないインフルエンサーが急にある会社のコスメ商品紹介をし始めたら少し変ですよね。
ユーザーがインフルエンサーに対して持つイメージとPR商品とのギャップが生まれないように、自社商品と親和性の高いインフルエンサーを選ぶようにしましょう。
インフルエンサーマーケティングの注意点
最後に、インフルエンサーマーケティングを行う際の注意点をお伝えします。
インフルエンサーマーケティング最大のリスクは、消費者からステマだと思われてしまうことです。ステマとは、「ステルスマーケティング」の略で、「宣伝や広告であることを消費者に隠して行う宣伝活動」のことを指します。
例えば、あるインフルエンサーに商品PRを依頼し、依頼したインフルエンサーが投稿内容に広告・宣伝であることを明示しなかった場合はステマにあたります。
具体的に広告や宣伝であることを明示するには、
・投稿に「#PR」や「#宣伝」等のハッシュタグを付ける
・投稿の文章中にPRである旨を記載する
といった対応が必要になります。
こうした明確な記載のないPR投稿は消費者から「ステマだ」と思われてしまいます。
ステマは、意図的に消費者を騙す行為なので、もしもバレると社会的な信頼を失い、悪質なステマの場合は景品表示法や軽犯罪法違反になる可能性があります。
企業にとって大損失に繋がってしまう出来事なので、ステマにならないようにPR依頼するインフルエンサーともしっかり連携を取った上で、消費者に取って分かりやすいようなPRを心がけましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
インフルエンサーマーケティングは、市場規模が年々拡大しており、注目度の高いマーケティング手法であることがお分かりいただけたかと思います。
自社商品のマーケティング手法の一つとして、是非一度ご検討下さい。
最後までご覧いただきありがとうございました。