インフルエンサーとは
インフルエンサーとは、「世間に対して大きな影響力を持つ人やもの」のことです。影響や勢力を表す「influence」という英単語を語源とし、近年ではインターネットメディア上において、消費者が商品を購入する際の意思決定に対して影響を与える人たちのことを指すことが多くなっています。
代表例として、タレントやファッションモデル、スポート選手などがいますが、最近では多数のフォロワーを抱えるインスタグラマーやYouTuber、TikTokerなどもインフルエンサーとしての地位を確立しています。
インフルエンサーのカテゴリー区分
トップインフルエンサー
トップインフルエンサーとは、フォロワー数が100万人以上でSNSにおいて非常に大きな影響力を持つインフルエンサーのことです。
主にメディアに露出する機会の多い芸能人や著名人が多くを占めますが、最近では超人気YouTuber、TikTokerなどもトップインフルエンサーの仲間入りをしています。
100万人規模のフォロワーを抱えるため、情報の拡散力が非常に強いという特徴があります。
日本では、タレントの渡辺直美さん(@watanabenaoi703)や実業家の前澤友作さん(@yousuck2020)、YouTuberのはじめしゃちょーさん(@hajimesyachoudesu)のような方がトップインフルエンサーとして挙げられます。
ミドルインフルエンサー
ミドルインフルエンサーとは、フォロワー数が10〜100万人で、トップインフルエンサーと同じくSNSにおいて非常に大きな影響力を持つインフルエンサーのことです。
メディア露出や書籍の出版などを行なっているインフルエンサーも数多く、トップインフルエンサーほどではないものの、情報の拡散力が強いという特徴があります。
マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーとは、フォロワー数が1〜10万人のインフルエンサーのことです。このカテゴリになると、有名人や著名人だけでなく、一般人も増えてきます。
また、料理やファッション、美容など特定のジャンルに特化している人が多いというのも特徴の一つです。
情報の拡散力はやや弱い一方で、フォロワーとの距離が近いため、エンゲージメント率が高まりやすい傾向があります。
ナノインフルエンサー
ナノインフルエンサーとは、フォロワー数が数千〜1万人のインフルエンサーのことです。
狭いコミュニティの中だからこそ、フォロワーとの関係性が密接になりやすいのが特徴です。
また、インフルエンサーの中で最も数が多い層が、このナノインフルエンサーです。
そのため、扱うジャンルや発信する情報の内容で差別化を図り、ニッチなジャンルを扱う人が多いのも特徴の一つです。
インフルエンサーが注目される理由
昨今、インフルエンサーが注目される機会が増えてきています。なぜでしょうか?
その理由の一つとして、現代は多種多様な情報や広告で溢れかえっているため、以前よりも広告自体の影響力が落ちたという理由が挙げられます。
消費者目線で考えると、「選択肢が多すぎて逆に何を買えばいいのか分からない」という状況になってしまい、無限に流れてくる広告に対して抵抗感を覚えるようになっています。
また、企業主体の商品PRは「押し付け」や「上から目線」の印象を消費者に与えることがあります。
こうした問題を解決できるのがインフルエンサーによる商品PRであり、消費者との距離の近さを活かして、消費者に近い目線で様々な情報を発信できます。
「顧客の抵抗感を減らし、企業の一方的な宣伝感を解消できる」というのが、インフルエンサーが注目されている大きな理由です。
インフルエンサーが活躍する各SNSの特徴
近年現れるインフルエンサーの多くは、SNSで人気を集めることに成功した人々です。
そこで、多くのインフルエンサーの活躍の場となっているSNSについて、改めておさらいしましょう。
以下のグラフは、代表的な3つのSNSであるFacebook、Instagram、Twitterの直近4年間の月間アクティブアカウント数の増減を表したものです。
世界最大の利用者を誇るのが「Facebook」です。日本国内での月間アクティブアカウント数2600万であり、30〜50代の男性ユーザーが多い傾向にあるSNSです。
Facebookの大きな特徴として、「実名登録」がルールになっている点が挙げられます。
匿名でアカウント作成可能な他のSNSと比較すると、実名登録というシステム上、情報の信頼性が高いと言えます。
また、Facebookはビジネスパーソンが利用者の大半を占めているSNSです。友達だけでなく、同僚や取引先との繋がりもFacebookを通じて可能であることから、比較的「フォーマル」なSNSとして利用されることが多いです。
SNSの中でも、画像や動画がメインコンテンツとして扱われるのが「Instagram」です(以下インスタと略)。国内月間アクティブアカウント数は3300万を突破しており、10代・20代の約7割が利用しているSNSです。ユーザー男女比はおよそ6:4で、女性ユーザーが多いという特徴もあります。
ストーリーズやIGTV、リールといった動画機能が充実している他、近年ではInstagram上に投稿した写真にECサイトの商品ページを紐付けて簡単に購入できる導線を作ることができる「ショッピング機能」も注目されています。
画像や動画機能、且つショッピング機能を合わせ持つという性質から、企業による商品PRの場として最も利用されるSNSがこのInstagramです。
代表的な3つのSNSの中でも、日本国内での月間アクティブアカウント数が4500万と最も多いのが「Twitter」です。
若者だけでなく、30〜40代の利用者も多いという特徴があります。
Twitterの魅力は「情報のリアルタイム性」であり、情報の拡散性が高いという性質から多くの企業がフォロー,リツイートキャンペーンなどを実施しています。
どのメディアよりも情報やトレンドのスピードが早いSNSなので、「今起きていること」の情報収集にも最適です。
企業がインフルエンサーを起用するメリット
では、企業がインフルエンサーを起用して自社商品のPRを行うことのメリットは何なのでしょうか。
以下でメリットを三つほどご紹介します。
ターゲット層を絞ったマーケティングが可能
一つ目のメリットは、「ターゲット層にリーチしやすい」という点です。
例えば、「Aさん」という美容系インフルエンサーがいると仮定してみます。
企業がAさんに化粧品のPR依頼をした場合、Aさんは自身のSNSアカウントでその化粧品を使用してみた感想を口コミのような形で発信します。もちろん発信先は、Aさんのフォロワーです。
フォロワーは、美容系の情報を発信しているAさんに興味を持った上で、自らフォローしている人たちであるため、企業は「化粧品に興味を持つ人」にターゲットを絞って効率的に商品認知をリーチさせることが可能になります。
「信頼できる口コミ」でユーザーの消費意欲を高められる
二つ目のメリットは、「ユーザーの消費意欲を高められる」という点です。
インフルエンサーのフォロワーの中には、そのインフルエンサーに対する憧れや尊敬の気持ちを抱くユーザーがとても多いです。そして、憧れの対象であるインフルエンサーが身につける洋服や、使用している化粧品を「自分も着たい!使いたい!」と思うようになり、ユーザー自身の商品購入へと繋がります。
フォロワーにとって憧れのインフルエンサーが投稿する商品口コミについても同様です。誰が書いたか分からないクチコミよりも、顔も名前も知っていて、且つ憧れの人が投稿した口コミの方がユーザーは情報を信頼できるはずです。
SNSの拡散機能でブランド認知が加速する
三つ目のメリットは、「SNSの拡散機能でブランド認知が加速する」という点です。
多くのインフルエンサーの活躍の舞台となるTwitterやInstagram等のSNSには、「拡散機能」と呼ばれるものがありますが、その代表例の一つとなるのがTwitterのシェア機能です。
シェア機能とは、ユーザーが「共有したい」と思ったネット記事やSNS投稿をフォロワーにシェア(共有)できる機能のことで、これにより一つの記事や投稿が爆発的に広まることがあります。
他には、「ハッシュタグ(#)」という機能も拡散力が強い機能です。例えば、Instagramアカウントでの投稿の最後に「#化粧品」というキーワードを入れて、他のユーザーがインスタの検索欄で「化粧品」と入力するとします。すると、「#化粧品」というキーワードが入った投稿が一覧表示され、ユーザーは化粧品系の投稿を自由に閲覧できるようになります。ユーザー視点でかなり使い勝手のいい機能です。
SNSは「拡散が拡散を呼ぶプラットフォーム」であることから、企業がSNS上で人気を誇るインフルエンサーに商品PRを依頼することの大きなメリットといえます。
企業がインフルエンサーを起用する際のポイント
フォロワー数だけでインフルエンサーを判断しない
一つ目のポイントは、「フォロワー数だけでインフルエンサーを判断しない」こと。
インフルエンサーは、フォロワー数に応じてカテゴリ分けされるとご説明しましたが、あくまでこれは判断指標の一つです。
数百万のフォロワーを持つメガインフルエンサーでも、そのフォロワー層が自社商品のターゲットとかけ離れていては、マーケティングの効果は見込めません。
また、フォロワー数が少ないインフルエンサーの方が、フォロワーとの距離感が近い傾向にあるため、ユーザーに与える影響は大きいと言えます。マイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーといったフォロワー数が比較的少ないインフルエンサーの起用も検討してみてはいかがでしょう。
インフルエンサーのイメージ感を崩さない
二つ目のポイントは、「インフルエンサーのイメージ感を崩さない」ことです。
インフルエンサーにPR依頼をする際に気をつけたいことは、「ヤラセ感」をユーザーに感じさせてしまうこと。普段のインフルエンサーのイメージと全く違う内容の商品PRを見たユーザーは、「無理してやっているのかな?」という疑問を抱いてしまう可能性があります。こうなるとマーケティング効果は大きく減少してしまうので、インフルエンサーとPR商品の「親和性」を考えた上で、適切なインフルエンサーを選定するようにしましょう。
まとめ
インフルエンサーについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
今回の記事をまとめると、
- インフルエンサーとは、「世間に対して大きな影響力を持つ人やもの」のこと
- インフルエンサーはフォロワー数に応じてランク分けされる
- インフルエンサーによる商品PRは拡散力に期待ができる
- 商品PRを依頼する時は、自社商品とインフルエンサーとの「親和性」を考える
でした。
インフルエンサーマーケティングの市場規模は年々大きくなっているので、自社ブランドのマーケティング手法の一つとして是非一度ご検討いただければと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。